法律上問題無し?請求書電子化に関連する法律や注意点について

更新日:2021年11月22日/掲載日:2021年01月29日
法律上問題無し?請求書電子化に関連する法律や注意点について

近年、請求書を電子化してビジネスをスムーズにしようとする動きが活発化しています。 文書保存に関する法律の規制が緩和されたこと、政府の積極的な電子化支援や働き方改革の推進、社会情勢の急激な変化に対応するためにテレワークが進んだことなどが背景にあるようです。
今回は、請求書の電子化を推し進めている上記の背景ふまえ、関連する法律の解説をいたします。

加えて、請求書電子化のメリット、最後に電子請求書のクラウドサービスのご案内もしています。

請求書電子化をめぐる動き

法的な整備

ペーパーレス化の進展や民間企業の強い要請もあり、1998年に電子帳簿保存法施行され、紙の保存が義務付けられていた国税関係書類に対して、電子データでの作成が許可されました。 さらに、2005年にはe-文書法が施行され、企業が扱う国税関係以外の書類も電子化が認められるようになりました。
さらに、電子化に際して、取引額の制限が緩和されたり、スマートフォンで撮影された書類が認められたり、改ざん防止のためのタイムスタンプの要件などがスタートしたりなど、規制緩和が進んでいます。

つまり、法律面からも請求書の電子化がしやすくなっているわけです。

政府の動き

2020年12月、政府と会計システム企業約70社が協議し、請求書データの完全デジタル化を目指して、国際規格を導入する検討に入りました。
これまで、大手流通業やメーカーの間には、取引データを交換するEDI(電子データ交換)という仕組みがありましたが、今回のこの動きにより、業種を超えて請求書の電子化が普及しようとしています。

働き方改革やテレワークの推進

請求書の処理は企業にとって重要な業務です。 しかし、働き方改革により残業規制は厳しくなっています。
働き方改革の面からも、請求書を電子化し、スムーズな処理をしたいものです。
さらに、近年は、テレワークが推進されるようになってきました。 しかし、このテレワークも、請求書処理だけは、会社に行って紙の書類の処理を行わなければならず、課題としてクローズアップしてきました。そこで、この請求書処理もテレワークで処理してしまおうという機運が高まってきました。

テレワーク推進

そもそも、電子化した請求書を使用すること自体には法律上、何の問題もありません。
また、請求書をデータで受け取った側が紙で保存する場合には規制はありませんが、電子データとして保存する場合、電子帳簿保存法上、一定の法律規制があります。

請求書電子化の法的な整備について

近年、ペーパーレス化の進展と民間企業の強い要望により、請求書の保存方法が改善されてきました。
法律の種類や規制内容、注意点などについて見ていきます。

そもそも、PDF化した請求書は法律的に問題ないでしょうか?

PDFの請求書は法律的に認められている

PDFも電子データの一種ですから、取引上利用することに問題はありません。税務調査においても、PDFデータが存在すれば、取引の実態が確認できます。
しかし、請求書の発行側と受取り側では電子化に際して注意点があります。

請求書の発行側の注意点

発行側は請求書をPDFデータで発行・送付出来ます。
しかし、受取り側で電子保存しない場合は、一度プリントアウトして保存しなければならない手間が発生することを考慮する必要があります。

請求書の受取り側の注意点

PDFでの請求書データを保存する場合や、紙で受け取った請求書をスキャナ保存したい場合は、電子帳簿保存法上の要件を満たす必要があります。
その際、法律では、データの真実性や可視性を確保することなどが求められます。

PDFへの捺印は不要

PDFで作られた請求書への捺印は、実は法律上の義務ではありません。しかし、捺印をすることで偽造を防いだりする効果はありますし、相手側企業のルールに合わせる必要はあるでしょう。

請求書電子化に関連する法律とは

請求書を電子化するための法的な根拠として、電子帳簿保存法とe-文書法という法律があります。

電子帳簿保存法について

この法律は、1998年に施行された、国税関係書類の電子データ保存を認めた、最初の法律です。

この法律では、会計システムなどのコンピュータシステムから出力された電子データを紙の代わりとして保存することを認めるものでした。 その後、改正を重ね、電子化の規制が急速に緩和されています。

【平成17(2005)年改正】
関連法であるe-文書法の施行に伴い、国税関係帳簿書類のうち、帳簿、決算関係書類、契約書及び領収書以外の文書について、スキャナーで読み取ったデータを保存することが認められました。

【平成27(2016)年改正】
電子化の対象金額制限(3万円以下)が撤廃され、スキャナーで読み取ったデータに対する電子署名が不要になりました。

【平成28年(2017)改正】
スマートフォンでの撮影による電子が容認されました。

【令和4年(2022)改正】
税務署に対する事前承認が不要になります。スキャナ保存要件がさらに緩和されます。
紙の請求書電子化する際に行う自署が不要になり、タイムスタンプの期限も3日以内から最長2カ月以内になり、修正や削除履歴を確認できる会計システムを使えばタイムスタンプも不要になります。
さらに、データの検索性についても、「日付」「金額」「取引先」の3項目だけになります。

e-文書法について

この法律も電子帳簿保存法と並んで書類の電子化を認める法律として、平成27(2005)年に施行しました。
電子帳簿保存法と違いは、民法や商法など、法律に基づいて紙の保存が義務付けられてきた全ての文書が対象になっています。

請求書の電子保存の要件について

電子帳簿保存法では、請求書の電子化について、必要な要件が定められています。
ポイントは正しいデータであること(真実性)と、迅速にデータを見ることが出来る状態にあること(可視性)です。

電子データ保存要件

真実性の確保
関係書類の備付け

会計システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)を準備しておくこと。

可視性の確保
見読可能性の確保

保存されたデータが、コンピュータや、プログラム、ディスプレイ及びプリンタの操作説明書を備え付けた上で、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できること。

検索機能の確保

取引年月日、勘定科目、取引金額などの項目で検索できること。

スキャナーデータ保存要件

真実性の確保
入力期間の制限

受領後、最長2か月以内に入力すること。

解像度・階調度

解像度が200dpi相当以上、赤色、緑色及び青色の階調が256階調以上。

タイムスタンプの付与

画像データに対してタイムスタンプを付与すること。ただし、訂正・削除の履歴が残るシステムを使用する場合、タイムスタンプは不要。

読み取り情報の保存

ファイルの解像度及び階調、大きさなどを保存すること。

バージョン管理

訂正又や削除などを行った場合、その事実及び内容を確認することができること。

入力者等情報の確認

スキャンを担当者と、その担当者を監督する者に関する情報を確認できること。

相互関連性の確保

帳簿に係るデータとその帳簿に関連する他の帳簿のデータとの間において、相互にその関連性を確認できるようにしておくこと。

関係書類の備付け

会計システム関係書類等(システム仕様書、操作説明書など)を準備しておくこと。

見読可能性の確保

保存されたデータが、コンピュータや、プログラム、ディスプレイ及びプリンタの操作説明書を備え付けた上で、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できること。

検索機能の確保

取引年月日、勘定科目、取引金額などの項目で検索できること。

【参考】国税庁 令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf

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請求書電子化のメリットについて

請求書の電子化のメリットは2つの側面から見ることができます。
業務の効率化やミスの低減など、コストダウンに繋がる多くのメリットがあります。

請求者側(発行側)のメリット

業務の効率化

請求書の発行企業は、パソコン内で請求書を作成し、それを電子メール感覚で請求先企業に送信するだけなので、仕事が簡単になり、人件費が節約できます。

ミスの低減

パソコンで請求書を作成するので、ミスが減少します。
一度、請求先企業のデータを正しく入力すれば、そのデータを使い続けることになるので、請求書への誤記入がなくなります。
ミスによる余分な人件費や通信費がコストダウンできます。

セキュリティの向上

電子請求書は、データを消去しなければクラウド上にデータが残り、紛失しません。

紙の請求書だと郵送が届かなかったり、紛失したりすることもあり、経営者や経理担当者、営業担当者方は、困った経験があるはずです。 請求書の電子化は、担当者こそ実感できるメリットです。

承認作業のスムーズ化

電子請求書なら、上司の承認もパソコン上で行なえます。
電子請求書のシステムには、請求書の送信や受信のアラート機能がついているので、送り忘れも受け取り忘れも防止できます。無駄な時間を無くすことでコストダウンにつながります。

受け取り側のメリット

業務の効率化

請求書の受信側企業(請求書を受け取る企業)も、電子請求書を導入すれば、電子メール感覚で請求書を受信して、そのままパソコン上で管理、処理できます。 したがって、受信側企業の請求書業務も効率的になり、人件費の節約に繋がります。

請求書フォーマット統一

請求書を受け取る側の苦労として、多様なフォーマットで送られてくるので、管理やチェックがありましたが、クラウドサービスを使えば、自社用の統一フォーマットに変えることが出来ます。請求書の管理や閲覧が非常に楽になります。これも、取引先のコストダウンに繋がります。

請求書電子化のメリットについて詳細

請求書の受け取り企業が電子請求書を導入すれば、発行側企業に請求書のフォーマットの変更を依頼することになりますが、その移行はとても簡単なので発行側企業にも大きな負担をかけることはありません。
むしろ、発行側企業も請求書発行業務を簡素化できるので、喜ばれるはずです。
詳しくは下記の記事をご参照下さい。

請求書電子化のメリットについて詳細
”請求書を電子化するメリットとデメリット【無料の体験版から始めよう】”で、請求書電子化のメリットについては詳しく解説をしておりますので、こちらの記事をご参考にお読みください。

【記事】請求書を電子化するメリットとデメリット【無料の体験版から始めよう】

https://www.emeisai-syspro.net/column/article202011.html

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電子請求書システム「e-メイサイプロ」について

電子請求書システムとして、株式会社シスプロの「e-メイサイプロ」を紹介します。

e-メイサイプロとは

e-メイサイプロの電子請求書システムは「クラウドを使った一括管理システム」です。

クラウドなので、ユーザー企業は自社にサーバを置く必要がありません。そしてユーザー企業は、システム(e-メイサイプロ)を管理する必要すらありません。
ユーザー企業が求める機能は、すべてシスプロが用意いたします。

導入のメリット

e-メイサイプロには次のような特徴があります。
これらの特徴により、請求書発行業務と受け取り業務が効率化し、経理部門などの生産性を向上させます。

  • CSVで複数の取引先企業を一括登録できます。
  • タイムラグなく請求書を受け取ることができます。月次決算が迅速化、省力化します。
  • 受け取る請求書のフォーマットが統一されるので、経理担当者の視認性が格段に向上します。
  • 請求書の承認・否認をオンライン上で行なえるので、経営者や経理部長の貴重な時間を節約できます。
  • すべての請求書がデータ化されクラウド上に保管されるので、事実上、紛失しません。
  • データ化しているので、過去の請求書を簡単に取り出すことができます。
  • 請求書データはクラウド上にあり、そのクラウドを動かしているサーバは当社シスプロが管理しているので、e-メイサイプロを導入した企業は、保管キャビネットもサーバも持たなくてよくなります。

まずはe-メイサイプロへお気軽にご連絡ください

体験版でお試しを

「請求書を電子化したい」けど「コストが気になる」という方も多いことでしょう。取引先にも関係することですから、慎重に検討することは当然です。 その際は、まずは、e-メイサイプロの無料体験版をお試しください。

月額利用料は、受取りタイプで、

  • Aプラン:50通までで、10,000円
  • Bプラン:500通までで、50,000円

また、お得なパッケージ利用もあります。※1通あたり70円の、受取り15,000通パックなど
月額利用料は、発行タイプで、

  • Cプラン:100通までで、5,000円
  • Dプラン:500通までで、22,500円

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